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構築例:ゲンガー軸サンプル

ここでは6-3制シングルバトルでのパーティー構築例を紹介します。
この例を元に、パーティーを1から構築していく際の流れを見てみましょう。

ゲンガー♀(性格:おくびょう 攻撃↓/早さ↑) 特性:ふゆう アイテム:きあいのタスキ
能力値 HP:129(努+4)、攻撃:74、防御:69、特攻:182(努+252)、特防:87、早さ:178(努+252)
技:シャドーボール、きあいだま、10まんボルト、おにび

ナットレイ♂(性格:ゆうかん 攻撃↑/早さ↓) 特性:てつのトゲ アイテム:こだわりハチマキ
能力値 HP:181(努+252)、攻撃:160(努+252)、防御:149(努+4)、特攻:71、特防:128、早さ:22
技:ジャイロボール、パワーウィップ、やどりぎのタネ、じならし

ソーナンス♀(性格:ずぶとい 攻撃↓/防御↑) 特性:かげふみ アイテム:オボンのみ
能力値 HP:284(努+144)、攻撃:35、防御:121(努+252)、特攻:53、特防:92(努+108)、早さ:53
技:カウンター、ミラーコート、みちづれ、アンコール

テラキオン(性格:ようき 特攻↓/早さ↑) 特性:せいぎのこころ アイテム:いのちのたま
能力値 HP:166、攻撃:181(努+252)、防御:110、特攻:70、特防:111(努+4)、早さ:176(努+252)
技:インファイト、ストーンエッジ、ちょうはつ、つるぎのまい

ガブリアス♂(性格:ようき 特攻↓/早さ↑) 特性:すながくれ アイテム:こだわりスカーフ
能力値 HP:201(努+140)、攻撃:164(努+108)、防御:116(努+4)、特攻:90、特防:106(努+4)、早さ:169(努+252)
技:げきりん、じしん、だいもんじ、ストーンエッジ

ギャラドス♂(性格:ようき 特攻↓/早さ↑) 特性:いかく アイテム:たべのこし
能力値 HP:202(努+252)、攻撃:146(努+4)、防御:99、特攻:65、特防:120、早さ:146(努+252)
技:こおりのキバ、じしん、みがわり、りゅうのまい

コンセプト

パーティーを構築をする際は、「どのような構築がしたいか」というコンセプトを持って考えるとよいでしょう。
コンセプトと言っても難しく考える必要はなく、単純に、自分はこのポケモンが好きだから、
このポケモンを入れた構築でなるべく勝てる構築を作りたいとか、そのようなコンセプトで十分です。

今回は、勝ちを狙いに行くときのよくある考え方の一つとして、 「現在流行っているor強いポケモンに相性のいいポケモンを採用することを決めてから、構築を考える」という考えで組んだ構築を紹介します。
このように、流行に対して強いポケモンを用意することを、よく「メタをはる」などといった表現をします。

さて、ブラックホワイトになってから、多くのポケモンが追加されました。 その中でも特に、戦闘中のポケモン交換で対処することが難しいポケモン(受けづらいポケモン)に対して相性のいいポケモンを。今回は軸として考えたいと思います。 当たり前といえば当たり前ですが、受けづらいポケモンに対して強いポケモンを軸にした方が、構築は安定します。 軸となったポケモンが、受けづらいポケモンに弱いようでは、戦い方が不安定となってしまうのです。

今回は構築の軸としてゲンガーを採用したものを紹介します。 ゲンガーを採用した理由は、ブラックホワイトの中でも特に受けづらいテラキオンナットレイといった面々に タイマン状態から圧力をかけることが出来るからです。 極端に苦手なポケモンも少なく、構築に入れることで安定した活躍を見せてくれるポケモンの一体と言えます。

構築解説

ここではゲンガーの採用を決定した後の構築の考え方について、紹介していきます。

ゲンガーを採用すると、まずゲンガーより早いポケモンや、 ゲンガーの火力では対処しきれないポケモンへの対策を考える必要があります。 具体的には、ライコウ、ボルトロス、スカーフガブリアス、スイクン、 『しんかのきせき』ポリゴン2といった面々は、ゲンガー単体では非常に重たい相手です。

スカーフガブリアスetcといったスカーフを持ったドラゴンタイプは、 非常に素早い状態からタイプ一致かつ半減しづらい「げきりん」「りゅうせいぐん」を打ってくるのが脅威となります。 そのため、まずはドラゴンタイプの攻撃を半減できる鋼タイプの採用を考えてみることにしました。

基本的に、鋼タイプがいない構築は相手のガブリアス、ラティオスといった素早くて火力のあるポケモンが、 何のためらいもなく「げきりん」「りゅうせいぐん」を打ててしまうので、 相手は何の心配もなく威力の高い技を打てて、 こちらは相手の威力の高い技に一方的に圧迫されるという状況になりがちです。 そのため、構築には一体は鋼ポケモンを採用したいところです。 勿論、6体の中に入れて必ず選出しなければいけないと言う訳ではありません。 見せあいの時点で、相手に鋼ポケモンがいるかもしれないと意識づけることが一番大切です。

鋼ポケモンの候補は、メタグロス、ヒードラン、ナットレイの3体が ブラックホワイトで強いポケモンとして評価されています。 今回は折角なので、新ポケモンのナットレイを採用することにします。

ナットレイの型はいろいろありますが、今回はナットレイの採用を決めた時点で 『こだわりハチマキ』ナットレイの採用で確定としました。 理由は、鉢巻ナットレイは大火力で攻撃することが出来るので、 相手のポケモンをゲンガーで後一発攻撃したら倒れるレベルまで追い込みやすいと考えたからです。 ゲンガーは非常に素早いけれど一撃の火力自体はあまり高くないポケモンなので、 ナットレイが大火力で一気に削ってくれるのは非常に心強いです。 細かいことを言うと、相手のラティオスが「めざめるパワー炎」を持っていたら、 ゲンガーより遅いことが分かるので、 ナットレイが犠牲になっても十分大きな情報が手に入ると言うシナジーもあります。

次のポケモンですが、ゲンガー、鉢巻ナットレイでは、まだ相手ガブリアスがきついです。 ナットレイは「げきりん」の対策に出すことは出来ますが、 その交代際に「げきりん」ではなく「つるぎのまい」をされたりしたら、次のターンのガブリアスの「ほのおのキバ」でナットレイが倒されるので、 ナットレイガブリアス対策としては不完全なものでしかありません。
他にも、「アームハンマー」を持ったメタグロスなども、ゲンガーナットレイの二体では面倒です。 そのため、三体目としては、ガブリアスメタグロスに強い、物理耐久を高めたソーナンスの採用を決定します。 物理耐久を高めたソーナンスは、「どくどく」を持っていないガブリアスは最悪「みちづれ」で処理できますし、 メタグロスにも強いです。

さて、ゲンガーナットレイソーナンスと三体の採用が決まりました。 ここまでで思う事は、相手のヘラクロスがまだ重たいですし、高耐久のポケモンのうち 『しんかのきせき』ポリゴン2、ラッキーにはまだ対処の甘さが残ります。 他にも、『こだわりスカーフ』を持たないでゲンガーに先制してくるライコウやアグノムへの対策や、 更には相手のゲンガーへの対策が欲しいです。 そのため、残りのポケモンとして、テラキオンとスカーフガブリアスの採用を決定します。 テラキオンは素早く高火力で押し切れるので、 相手のポケモンをゲンガーで一発殴ったら倒せる圏内まで持っていくのは得意です。 『しんかのきせき』持ちポケモンにも強いことが非常に評価できます。 スカーフガブリアスについては、努力値を耐久に振ってヘラクロスの『こだわりハチマキ』「インファイト」耐えるようにすると、 ヘラクロスに無理やり後出しできるので、ヘラクロスに弱いこの構築には相性がいいです。

最後の一体ですが、まだ面倒な相手にスイクン、ゴウカザルといった面々がいます。 また、格闘タイプ弱点がテラキオンナットレイと2匹いるのに対して、 格闘を半減以下にするポケモンがゲンガーソーナンスと癖のあるポケモンになっているので、 最後の一体は格闘に強いポケモンが欲しいところです。 そのため、最後の一体はギャラドスとしました。 「みがわり」「りゅうのまい」ギャラドスならスイクンの攻撃を身代わりが耐えるため、 スイクン相手に有利に立ち回ることが出来ますし、 他の面子では不安が残るゴウカザル(やその他の炎ポケモン)への抑止力になります。

以上のようにして、構築に採用する6体を決定しました。

個別解説

次に、努力値配分やアイテム、技を工夫していきます。
時と場合によっては、この後考えていくうちに採用決定した6体のポケモンの面子が変わっていくこともありますが、 今回は簡単のため最初に採用決定した6体のままで考えていきます。
まずは、型を決めやすいポケモンから考えていきます。

ナットレイ
耐久面については、ナットレイは防御特防の種族値が高いのにHP種族値が低いので、HP252振りが非常に効率がいいのでまずそこに振ります。残りは、ゲンガーで一撃で倒せる範囲まで速やかに相手を入れるために、攻撃に全振り。耐久面に努力値を振っていないガブリアス程度だったら、「ジャイロボール」で高い確率で倒せます。なお、素早さ個体値を0にして性格を勇敢にしているのは「ジャイロボール」の威力を上げるためです。 技は「パワーウィップ」「ジャイロボール」はまず確定。残りの技は正直何でもいいのですが、一応ジバコイルやヒヒダルマなどを警戒した「じならし」とソーナンス警戒の「やどりぎのタネ」にしました。とはいえ、「パワーウィップ」「ジャイロボール」しか使わないことは容易に想像つきます。 ひとまず、ナットレイはこれで確定です。 個体値は、素早さ個体値が0か1なら、他の個体値がある程度低くても妥協して大丈夫です。

ソーナンス
ソーナンスは『オボンのみ』を持たせると大抵の攻撃を二発耐えるので、『オボンのみ』を持たせます。努力値配分は物理耐久重視で、防御に努力値252振り。HP面ですが、砂嵐や霰の天候ダメージは、HPを16で割った商だけのダメージを受けるので、HPに対する天候ダメージの割合を減らすには、HPを16で割った割合を減らすと都合がよくなります。また、『オボンのみ』は最大HPの1/4だけ回復するので、HPを4の倍数にすると回復効率が良くなります。それを意識して、HP=16*17+12という値にして計算したところ、鉢巻ガブリアスの「げきりん」を高乱数で二耐え、『いのちのたま』スターミーの「ハイドロポンプ」を二耐えなどを満たしてちょうどよかったので、これで採用しました。 技はソーナンスのテンプレとでも言うべき構成です。 個体値は、出来ればHP防御特防素早さを31にしたいですが、妥協するなら特防個体値を27以上、素早さ個体値を20以上までを目安として厳選しましょう。特防はラティオスの『こだわりメガネ』「りゅうせいぐん」が目安の値で、素早さは少し素早さに振ったナットレイを意識した個体値です。

ギャラドス
HPに努力値を252振って『たべのこし』を持たせると、アイテムのないテラキオンの「インファイト」+「ストーンエッジ」を[いかく]込みで耐えてくれます。素早さは[いじっぱり]ヘラクロスや[ずぶとい]or[ひかえめ]ロトム意識で139以上にはしたかったですが、そこまでするならもう全振りにして最速ヒードランや最速エルレイド、マンムーを抜くのでいいやと思って素早さに努力値252振り。 この型のギャラドスは、ダイヤモンドパール時代に、ミロカロスの「れいとうビーム」を身代わりが耐えて「りゅうのまい」をしていくために出来た型です。現在ではミロカロスの代わりにスイクンなど意識で活躍するほか、耐久が高いギャラドスなので非常に器用に戦ってくれます。 攻撃技の枠が二つしかないので、二つで一番攻撃範囲が広い「じしん」「こおりのキバ」の採用としました。ここは人それぞれで趣味が入るところです。「たきのぼり」「ストーンエッジ」なども定番となっています。 個体値は、テラキオンの「インファイト「ストーンエッジ」を耐えるかどうかを見て、素早さ個体値は31を目指しましょう。特防と攻撃は高い方が勿論望ましいですが、物理耐久と素早さを優先したいところです。

テラキオン
ポリゴン2etcを突破するために火力に期待したいので、素直に攻撃素早さに努力値252振り。強化アイテムのない「インファイト」ではラッキーさえ倒せないので、『いのちのたま』を持たせました。相手の少し削れたヘラクロスを「ストーンエッジ」で倒せたりするので、ヘラクロスへの攻撃手段が少ないこの構築には相性のいいアイテムです。 「インファイト」「ストーンエッジ」以外の二つの技は、今回の構築だとソーナンス対策が弱い気がしたので、ソーナンスを完封するための「ちょうはつ」「つるぎのまい」としました。「でんこうせっか」や「みがわり」なども採用候補ではあります。 個体値は素早さ個体値が31なら他は少し低くても大丈夫です。

ガブリアス
前述のとおり、『こだわりスカーフ』持ち。更に、耐久を上げてヘラクロスの『こだわりハチマキ』「インファイト」と、アイテムなしライコウの「めざめるパワー氷」を大抵耐えるように調整したガブリアス。「じしん」で『シュカのみ』を持ったメタグロスを大抵の場合二発で倒せるようにもなっています。 げきりん」「じしん」以外の技は、ナットレイ意識の「だいもんじ」と、ウルガモスが「ちょうのまい」を使った場合に備えて「ストーンエッジ」。「ストーンエッジ」はサンダーやギャラドスにも高威力が入るので、この構築だと相性がいいです。  乱数調整をしないで個体値を妥協する場合は、特殊耐久面での調整を諦めて、物理耐久をヘラクロスの攻撃を耐えるように調整して、残り努力値を攻撃に振って攻撃164程度になるなら妥協してもそこまで問題ないでしょう。

ゲンガー
軸として採用したポケモンではありますが、非常に型の幅が広いために、最後に細かく決定することにしました。 まず余っているアイテムのうち最もゲンガーに適しているのが『きあいのタスキ』なので、アイテムは『きあいのタスキ』とします。 また、「シャドーボール」「きあいだま」で攻撃範囲を広くして、味方との連携で相手を倒すのがこのゲンガーの目標のようなものなので、この二つの技をまず確定とします。 残りの技ですが、格闘対策の「サイコキネシス」やとりあえず使える「みちづれ」「さいみんじゅつ」なども候補です。今は、ハッサムへ一撃で大ダメージが取りづらい構築であることが非常に気になったので、「おにび」の採用としました。残りですが、まだスイクンとギャラドスへの対策が大分弱く感じたので、「10まんボルト」の採用。 個体値ですが、このゲンガーも相当低い個体値なので、この程度あれば実戦では意外と困らないと思ってくださって大丈夫です。

以上で6体の育成方針が決まりました。使い方がはっきりしているポケモンだらけなので、型が素直に決まって行きましたが、このようにすんなり決まることはまれだと思ってくださって結構です。

立ち回り

実際に戦闘をする場合に、どのように6匹から3匹を選ぶか、
また戦闘開始後どのようにポケモンを使っていくかについて解説していきます。

相手の素早いポケモンが苦手な構築なので、相手に素早いポケモンがいたら、 ギャラドスガブリアスゲンガーナットレイソーナンスでどう対処するかよく考えて選出しましょう。特にソーナンスは狙ったポケモンと一対一交換しやすいので、選出するときにどう使うかよく考えるのがポイントです。 また、相手の耐久力の高いポケモンを無理やり突破できるのが、テラキオンナットレイソーナンスなので、この3体をどう使うかも大切です。 早いアタッカーと耐久重視の相手が苦手な構築なので、どちらにも対応できるソーナンスは非常に大切となります。また、耐久系ポケモンの弱点を突きやすく、素早いアタッカーに対して最悪でも一撃与えられるゲンガーも大事です。 相手のポケモンのうち特定のポケモンはこちらのどのポケモンで相手したいかがはっきりしている構築なので、そこを見極めることが大切です。

反省点

耐久系のポケモンが大分突破しづらくなってしまったので、「ぜったいれいど」を覚えたスイクンを採用したり、「どくどく」を持ったポケモンを入れるなど改善点はいろいろあります。ナットレイソーナンスを、メタグロスとスイクンに変えてみるのがいいかもしれません。 その他にも、カイリキーに弱かったりとか欠点はいろいろあります。今回のこの記事はあくまで構築の考え方の一例の紹介に過ぎません。実際に使ってみると考えた時には分からなかった欠点が出てきたりするので、まずは一個構築を作って使ってみるといいでしょう。そして、使ってみた見えた欠点をどのように改善するか試行錯誤していくことが大切です。

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